ん、と口腔を塞がれ、吐息が漏れる。
破天荒とて熟達しているわけではなかったが、相手は更に上を行く素人であったらしい。
常識として知識を備えている者と、そうでない者と。実際的な経験の有無では同レベルであるはずだが、思った以上の拙い反応に、仕掛けた側はざわざわと身の毛が弥立つのを止められなかった。
興奮は、どんなに強く感じたとしても、所詮身体だけの問題に留まるものだと思っていた。血湧き肉踊るの言葉通り、生身の部分が勝手に逸るだけだと考えていた。脳味噌はそれとは関係なく常にクールだと、自分のことをそう解釈していたのだが。
透明な唾液を舌先で存分に掬い取り、相手の上顎に塗りたくる。小さな体積であるので、向こうにとっては口内に太い蚯蚓が這っているようなものだろう。完全に目を瞑り、動きの度開放した口に震えが走る。刺激を加える毎に、黄色い眉が小さく引き攣った。
三歳児のファースト
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