よく晴れた昼下がりクロエはとある公園に来ていた。
辺りを見回し目的の人物を見つけ歩み寄った。
「ここにいたのか、ケビン」
ケビンはクロエの声に答えるように、寝転んでいた芝生から上体を起こした。
「よくここが分かったな、クロエ」
「以前、いい昼寝場所を見つけたと聞いていてな。」
「そうか。」
隣に座るように言いクロエを座らせた。
「いい所だな。」
「ああ。」
少し小高い場所に位置しているので公園の全体が伺えた。
クロエはしばし景色を眺めていた。
「クロエ」
「何だ、ケビン」
「今何時だ。」
時間を聞かれ公園に設置されている時計盤の時刻を読み上げた。
「丁度、2時になった所だ。」
何か用事でもあるのか?そう言いながら隣を見た。
「2時か・・」
読み上げた時刻を確認しケビンは
「もうしばらく寝る、4時頃に起こせ。」
と、短く言いクロエの膝に頭を乗せた。
「な、ケビン!」
名前を呼んだが当の本人は既に眠っていた。
聞こえてくるのは寝息だけだった。
クロエは立ち上がって無理矢理ケビンを起こそうとしたが止めた。
なぜなら、今日は一日オフにすると決めておりケビンを起こしたところでする事がないのだ。
ため息をつきクロエは4時になるのを待つ事にした。
「今日だけだぞ、ケビン」
聞いていないだろう当人に呟きクロエは空を見た。
青い空には静かに雲が流れていた。
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