悪い魔法使いの呪いでカイに触れたら獣になってしまう体になった二人(正確には2匹)。
「一体どうすれば…!」
本気で悩む虎。もう、めっさめらめら。頭抱えて七転八倒。
虎の姿じゃ抱きしめることも出来ない。ふわふわの布ごとあの体躯をぎゅっとしたいのに、引っかかるのは大きな爪くらい。しかも獣の体は本来ものを抱くようには作られていない。絶対嫌われる。服に穴があくって殴られる。
「食せば問題ない」
一人狼、別段気にせず。
食べたら駄目だろ、と良識派の虎は思う。大好きなカイを食べたら、腹を壊すどころか悲しくて寝られなくなる。もう二度と、ぎゅっとできなくなるんだぞ。
「けだものになろうが、やることはやれるという意味だ」
虎は数秒、首を傾げた。
好きな人は大事にしましょう。
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