達者。
「カイは俺を馬鹿にしているのか」
今更。というか、何が。
「ゴムの話だ」
男同士で言うゴムは、女の言うゴム跳びとかのゴムじゃない。
世のこんどう何某さんに失礼なあのくだりか。
つい先日のことなので、記憶は割と新しめ。
「別に馬鹿にしてやしない」
わからないのならそれまでだと言っただけ。
わざわざ蒸し返していれば、本当の馬鹿になりかねない。
いや、すでに其也。
「俺の房術を疑っているだろう」
ぼう。
なんで下ネタにスポーツとしか思えない棒術が出てくる。
卑猥な話題にお得意の分野をひけらかすだけ、愚の骨頂。
「違う。閨房術のことだ」
耳慣れない言葉を受けて、視界が歪む。
眉間と鼻の付け根と瞼、それぞれに。
待て、と寸止め。
理解できない単語を調べさせろと資料を請求する。
あるいは図書館へ行かせろ命令。
せめて辞典を引かせろと、不機嫌な面で要求すれば。
「隠語だから載ってないと思うが」
こいつ、言葉を学びすぎている。
ものすごく余計なところまで。
自分にだとて操れない類いの名前まで飛び出せば
わずかな敗北感すら感じる。
間。
中国史の与太話。
雑話を取り上げた本を読み終えて、一言。
「えせ純朴野郎」
決着は、次回へ持ち越し。
中華四千年。
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