駄話
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それは、唐突にやってきた。 同盟軍の燃え燃えな意見が集まるという、黄金の(噂)目安箱にやって来た匿名希望の投書を片手に握り締め、頭が悪そうな(失言)金の輪っかを被った城主がやってきた。それはもう、驚き腿の木って、それは、マイクロトフの木(笑)。げふん。妄想は置いておいて、とにかくマチルダの騎士団長のお部屋にやってきた。どうして、一人部屋なのに二人揃ってベッドに腰掛けているかなんて、ベタすぎて城主はツッコめなかった。 「何かあったのですか!??」 真面目一発。きりりとした毛根逞しいだろうと推測される卓越した眉毛の持ち主である青団長が、掴みかからんばかりの勢いで出迎える。その腰を、なんとなく勢いをセーブするように、なぜか赤団長がやんわりと掴んでいる。しかも、両手で。見るな、と城主の輝く盾の紋章が叫んだ。 「実は……ううっっ」 思わず嗚咽を洩らし、城主は顔をそむけた。決して、ホ@気に当てられたわけではない。十中八九それっぽかったが、敢えてそうではない、と額に文字を書いておいた。 「盟主殿!!!」 肩を掴み、揺さぶる。やめろ、吐いたらどうする。責任取ってくれるのか。 「マイクロトフ、落ちつけ。盟主殿のお話をお聞きしよう」 とても丁寧な口調だが、ドスの入った声音だというのは画面からはわからないだろう(笑)。いわんや、さっさと離れろこのサル(誰)、と言いたいのか。結構良い根性しとる、と城主は思った。 「こんなものが、投書されていたんです」 おずおず、というか、見ろや!という力強さで面前に晒す。刮目したマイクロトフの、目玉がまんまるお団子状態になる。いや、もとから丸っぽい目だったけれども。 「な………、こんな、馬鹿な………!!!!!!」 馬鹿はおまえだ、という反射的なツッコミは抜きにして、城主ははらはらと涙を落とした。儚げ、というより、どこでそんな芸当を覚えた、と義理の姉あたりからカニバサミを食らいそうなものだ。 「信じられません…!!!」 カミューも大仰に驚いた。絶対劇団死期。いや、どこかの劇場に通っているっぽいリアクションだった。もしかして、兵庫県?(宝@市) 「僕も信じたくはなかったです。でも、しかし、これが事実なんです!!!!」 悲しみのセレナーデ。いっそセレナーデ。突如として団長部屋が暗転し、スポットライトがパッと二人の騎士に注がれる。 「カ、カミュー!!!!!!!」 うなだれていたマイクロトフが顔を上げ、親友を見詰める。目ン玉濡れ濡れ。男泣き状態。これでぐっと来る輩は、ある種世界を制覇できる。 「マイクロトフ………!!!!」 二人は見詰め合い、危険な状態に入った。というか、自分が危険だ。警戒警報発令。額の蒼き門の紋章がぶーびー鳴った。 「事実は事実です。これからは…そう、心得ておいてください」 どじゃーん。 ドラムが、いや、銅鑼が鳴った。どこかのお腹にぽっけのある機械ねこ(モドキ)の親戚ではない。 吹きすさぶ山間を抜けるブリザード。ああ、故郷ロックアックスの風だ。マイクロトフはそう心の中で呟いた。 何を言っているんだ。挫けては駄目だろう、マイクロトフ。騎士の誓いを忘れたのか? 優しく、美しい親友は力強く微笑む。 ああ、そうだな。カミュー。忘れるものか。 変な部品でも取りつけられているかのように、無言で会話は続く。何かが憑依しているというよりも、奴ら自身が憑依しているそのものじゃねえか?奇異な経験をたくさんしてきたらしいお隣の部屋に巣食う傭兵代表は思った。 「俺は挫けん。そうだろう、カミュー!!!!!!!」 「それでこそ、私のマイクロトフだよ!!!!」 がしっ。 男の抱擁。 …とは誰も認めないホ@の愛情確認。すっかり二人の世界だった。骨密度は高過ぎて、病気の範囲だった。 「だから、これからはこの名前でも構わないね、マイクロトフ」 頬を濡らす涙を指先で拭い、微笑みかける。薔薇、というか、見たこともない花が咲いている。極楽浄土かよ、と見てはいけないものばかりに目が向かう貧乏性の傭兵は思った。 「ああ、赤青きんぐす、で構わない…!!!!!!!!!!!!」 ………。 赤青Knightsを、きんぐす、と読んでくれたUSHIOさんへ(笑)。 |
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