オヤジにくちを奪われる、五尺エースさん。
ちっす奪い合いの海賊勝負では現役の大海賊のオヤジに分がありそうでした。
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オヤジ、なんて名前で他人を呼ぶ機会があるなんて思いもしなかった。
今も、そしてこれからも変わらないだろう呼称。
だからおれは誇らしげに呼ぶんだ。
少し声が上ずることもあるが、気づかれてはいないはずだ。知られていても構わないと言えるはずもなく。
あんたを前にしたら、恥も外聞も何もない。或いは、その全部がある。
素のままでいられる。極自然に。意識することなく。
あんたは何も言わないで見ていてくれるが、おれにとっては大した変化だ。
あんたが引き合わせてくれた新しい大勢の仲間たちが、今のおれの生きる意味そのものになっている。
何も言わずにその場に佇んでいるだけで、すべてに納得することができる。
だからあんたは。あんたや仲間たちは、おれが守るはずだった。取り柄のない、ちっぽけなおれにできるのはそれだけだと。
守ることすらできなくなって。その術を奪われて。苦しいだけだったおれに、最後に与えてくれたおもいが悔いや後悔を一遍に濯いでくれた。
何も持たずに行ける。それがおれの人生のすべてだとしたら、思い残すことはなにもない。
オヤジにじわじわとちょめちょめされる、
オヤジの本命にして四番目の嫁こと、六尺二寸エースさんでした。
ちょっとというかかなりシャイでのぼせ易いけれど
こうと決めたら積極果敢な、オヤジの最初の(?)嫁。
その名も四尺エースさんでした。
『白火』の原稿処理前段階作業は今月までに九割くらい行きたかったのですが
今日と明日だけでは無理そうでした。
それでも前へ進みます。